• 富良野・美瑛ノロッコ号って、どんな観光列車? 予約は必要?
  • ラベンダー畑を、車なしで歩いて回れるの?
  • 旭山動物園へは、旭川駅からバスだけで行ける?

大阪発・公共交通だけで巡る北海道4泊5日の後編です。7月上旬、ラベンダーが早くも見頃を迎えていた時期のひとり旅。

前編では、奥定山渓温泉と、観光周遊バス「あさひかわ号」で回る美瑛・富良野をまとめました。

後編では4〜5日目の、富良野・美瑛ノロッコ号に乗ってのラベンダー畑めぐり(ファーム富田・北星山ラベンダー園)と、最終日の旭山動物園、そして大阪への帰路までをまとめます。

いちばんの見どころは、やはり観光列車「ノロッコ号」で行く、ラベンダー畑です。

ラベンダーの季節にだけ現れる臨時駅「ラベンダー畑駅」もあり、車がなくても、駅からすぐのファーム富田や、少し歩いて北星山ラベンダー園まで、無理なく回れます。

富良野・美瑛ノロッコ号は2026年9月23日をもって運行終了

  • JR北海道の発表により、1998年から走り続けてきた富良野・美瑛ノロッコ号は2026年9月23日(水・祝)が最後の運転になります
  • 2026年は全車指定席。乗車券のほか指定席券(1,000円)が必要(事前予約制)

※2026.8時点(運転日・時刻はJR北海道の列車ガイド参照)

この記事を読めば、公共交通だけで富良野のラベンダーを楽しむ具体的な回り方が分かります。

前編を読んでいなくても、後編だけで読み始められるように書いています。

旅の基本情報

はじめに、前後編を通した旅の全体像です。旅行時期は2025年7月。

前編(1〜3日目):奥定山渓温泉と旭川、周遊バスで美瑛・富良野(北西の丘・ファーム富田・青い池・白ひげの滝・美瑛神社)

後編(4〜5日目・この記事):ノロッコ号でラベンダー畑めぐり(ファーム富田・北星山)と旭山動物園

旭川駅前のホテルに連泊して、美瑛・富良野、旭山動物園を訪れます。

4日目は、旭川から富良野・美瑛ノロッコ号に乗ってラベンダー畑駅へ。そこからファーム富田・北星山ラベンダー園を歩いて巡り、ふたたびノロッコ号で旭川へ戻ります。

最終日の5日目は、旭山動物園を訪ねた後、JR特急で札幌へ出て、新千歳空港から大阪へ帰ります。

👉前編(1〜3日目:定山渓温泉・旭川・あさひかわ号で巡る美瑛・富良野)はこちら

4日目|富良野・美瑛ノロッコ号でラベンダー畑駅へ

4日目は、旭川駅10時発の富良野・美瑛ノロッコ号に乗ってラベンダー巡りの一日です。

ノロッコ号|ゆっくり走る観光列車で、車窓の富良野を楽しむ

高層階の窓から見下ろしたJR旭川駅のガラス張りの駅舎とバスのりば、遠くに連なる山なみと青空
この日も朝から快晴。出発前の部屋から見た駅前

富良野・美瑛ノロッコ号は、初夏から夏にかけての期間限定で走る観光列車

指定席は事前予約制(えきねっと等)で、ラベンダーの時期は混み合うので、早めに予約しておくのが安心です。

先頭に立つのは緑色の機関車。そのうしろに、レトロな茶色の客車が連なります。

ホームに停まる緑色の機関車を横から見る。車体に丘の絵と「NOROKKO」の文字、うしろに茶色の客車が連なる
旭川駅で出発を待つノロッコ号

ノロッコ号は、その名のとおり「のろのろ」ゆっくり走るのが持ち味の観光列車。

大きな窓や開放的な座席から、美瑛・富良野ののどかな田園風景を、車窓いっぱいに楽しめます。

車窓には、金色に色づいた畑が広がる北海道らしい風景が流れていきます。

刈り取り前の金色の麦畑が段状に広がる平原。奥に防風林と青い屋根の農家、青空に小さな白い雲
ゆっくり走るノロッコ号の車窓から眺める景色

富良野方面へ向けて丘や畑の景色を眺めながら過ごす時間は、それ自体が旅のハイライトです。

ノロッコ号で見ておきたい車窓スポット

  • 美瑛駅〜美馬牛駅:美瑛のシンボル「赤い屋根の家」が見える区間
  • 美馬牛駅〜上富良野駅:「富良野平原開拓発祥之地」の碑がある一帯
  • ラベンダー畑駅〜中富良野駅:北星山ラベンダー園付近の花畑
  • 中富良野駅〜富良野駅:のどかな富良野の田園風景

途中の美瑛駅では、石造りの駅舎を横目にしばし停車。ホームでは、先頭の機関車やヘッドマークを写真に収める人たちの姿も見られました。

ホームに停車した緑色の機関車の正面。丸いヘッドマークに「ノロッコ 富良野・美瑛」の文字、青空と白い雲
美瑛駅に停車中のノロッコ号。記念撮影をする人も

美瑛駅を出ると、車窓に美瑛川。緑の中に、赤いアーチ橋がすっと現れます。

緑の木々にはさまれた川と、そこに架かる細い赤いアーチ橋。青空に白い雲が点々と浮かぶ
美瑛駅を出てまもなく、美瑛川と赤いアーチ橋

そのさきに続くのは、畑が色分けされた、パッチワークのような美瑛の丘。

ゆっくり走るノロッコ号のスピードが、この景色にちょうど合います。

耕された茶色の畑と緑の畑が帯になって重なるゆるやかな丘。奥に農家の建物と防風林、青空に白い雲
ノロッコ号から美瑛らしい丘の眺めをのんびりと

晴れていて、麦畑の向こうに十勝岳連峰の稜線まで見えてきます。

一面に穂の伸びた麦畑の向こうに白い家と林、遠くに雲のかかった山の稜線。青空に白い雲
車窓から遠く十勝岳連峰の稜線が見渡せます

上富良野を過ぎると、丘の斜面にラベンダーの紫が見えはじめます。

林の奥の丘の斜面に、紫のラベンダーが帯状に咲いている。手前に白いビニールハウス、青空に白い雲
丘にラベンダーの紫が見えてきます

ノロッコ号は車両そのものがかわいらしくて、気分が上がります。車内は木のベンチ席で、天井にはラベンダーの飾りつけ。

外国人観光客も多く、あちこちから楽しそうな声が聞こえる、にぎやかな車内でした。

赤く塗られた客車の車内。木のベンチ席が並び、天井からラベンダーの飾りが下がる。多くの乗客が座っている
外国人観光客も多い、にぎやかな車内でした

ラベンダーの季節には、ファーム富田のすぐ近くに「ラベンダー畑駅」という臨時駅が開設されます。

ここで降りればラベンダー畑まで歩いてすぐなので、公共交通派にはとてもありがたい臨時駅です。

木枠の駅名標に「ラベンダーばたけ」の文字とラベンダーの絵。両脇に「乗車口」の標識、奥に緑の田んぼ
ラベンダーの時期だけ開設される臨時駅
ラベンダー畑駅は「季節限定の臨時駅」
  • ファーム富田まで徒歩約7分
  • 停まるのは基本的にノロッコ号だけ。期間中の指定日に、普通列車が上下各2本だけ臨時停車
  • 2026年の運転日 6/6・6/7、6/13〜8/11、8/15〜9/13は土日のみ、9/19〜9/23。8/12〜8/14は運休
  • 3両とも全車指定席。乗車券のほかに指定席券1,000円が必要

※2026.8時点(JR北海道参照)

ファーム富田|ラベンダー畑駅から歩いてすぐの大花園

ラベンダー畑駅で降りたら、歩いて7分ほどで「ファーム富田」へ。前編でもふれた、富良野ラベンダーの代名詞ともいえる広大な花畑です。

入園は無料で、丘の斜面いっぱいに広がるラベンダー畑のほか、色とりどりの花畑や、ラベンダーグッズ・ソフトクリーム・富良野メロンパンなど、お店も充実しています。

園内に入ると、色とりどりの花が縞模様を描く「彩りの畑」が出迎えてくれます。

黄緑・赤・紫・白の花が色ごとに列をつくり、縞模様になって広がる花畑。奥に並木と青空、右手に丸い案内標識
ファーム富田に入ると「彩りの畑」がお出迎え

駅から歩いてすぐという近さもあって、富良野のラベンダーを見るなら、まず外せない場所です。

前編でもふれたとおり、ラベンダーが一面の紫に染まる最盛期は例年7月中旬頃ですが、この年は上旬にしてすでに満開でした。

ファーム富田の公式サイトでも「ラベンダーは例年6月下旬ごろより早咲の品種が色づき始め、7月上旬~中旬ごろに見頃のピークを迎えます」と案内しています。品種によって時期がずれるので、公式の開花状況を合わせて確認するのが確実です。

この日もラベンダーは一面の濃い紫、文句なしの超満開でした。この年のように上旬で満開に出会えることもあります。

斜面いっぱいに咲きそろった紫のラベンダー。奥に緑の林の帯、上半分は白い雲の多い青空
7月上旬でも満開。端から端まで紫の花畑

丘を登るにつれて、紫の向こうに富良野盆地の眺めが開けていきます。散策路からは、遠く十勝岳連峰まで見渡せました。

園内は起伏があるので、歩きやすい靴で回るのがおすすめです。

丘の上から見た花畑。紫や黄の花の列の間を散策路がのび、歩く人の姿。奥に田園と雲をまとった山なみ
丘の上から見下ろす景色も素晴らしいです

近づいて見ると、小さな花が穂の先までびっしりと開いていて、まさに満開でした。

小さな紫の花が穂の先までびっしりと開いたラベンダーを間近から。背景の畑と林はぼやけている
近づくと優しい香りにうっとりします

4日目の旭川・富良野は少し雲が多めの晴れで、最高気温が26度くらい。前日までの30度超えからは少し和らぎ、屋外を歩くにはちょうどよい陽気でした。

7月上旬は、混雑が本格化する前の富良野を楽しめる時期。最新の開花状況は、ファーム富田や中富良野町の公式情報で出発前に確認しておくとよいでしょう。

丘の上から見下ろす花畑。黄・白・ピンク・紫の帯が斜面に広がり、畑には作業する人の姿。奥に田園と山なみ
前日回れなかった一角を訪れることができました

じつは前日、観光周遊バス「あさひかわ号」でも訪れたのですが、滞在時間内では回りきれないエリアが残っていました。

この日はひとりで再訪して、前日見れなかったエリアをのんびり歩く時間に。

再訪のお楽しみは、花畑だけではありません。前日に食べて美味しすぎた富良野メロンパンと、冷えたメロンも迷わずリピートして、花畑を眺めながら富良野を満喫します。

ファーム富田
  • 所在地  北海道空知郡中富良野町基線北15号
  • アクセス ノロッコ号「ラベンダー畑駅」(臨時駅)から徒歩約7分
  • 入園料  無料(駐車場も無料)
  • 営業時間 6月下旬〜8月中旬は8:30〜17:30、8月下旬〜9月は9:00〜17:00(時期により変わります)

※2026.8時点(公式サイト参照)

前日の様子は前編(1〜3日目:定山渓温泉・旭川・あさひかわ号で巡る美瑛・富良野)をご覧ください。

北星山ラベンダー園|リフトで登る、中富良野町営の花の丘

次はファーム富田から歩いて15分ほどの「北星山(ほくせいざん)ラベンダー園」へ向かいます。

中富良野駅からは徒歩10分ほどの、中富良野町営のラベンダー園です。

道中見上げると、山の斜面に「なかふらの」の花文字が描かれています。

ゆるやかな斜面に紫のラベンダーが区画ごとに植えられた丘。上のほうに赤い花で大きな文字が描かれている
山の斜面に「なかふらの」の花文字

ここの特徴は、なんといっても山の斜面をリフトで登れること。

夏のあいだ、スキー場のリフトが観光用に運行され、ラベンダーの咲く斜面を登っていけます。

斜面をまっすぐ上がるリフトと緑の座席。座って登る人がひとり、右手には紫のラベンダーと黄や赤の花の列
冬はスキー場。夏は観光用にリフトが動いています

リフトの足もとには、手が届きそうな近さでラベンダーの紫が続きます。

斜面に並ぶラベンダーの株と、その間の土の通路。左上にリフトの緑の座席と支柱、奥は林と雲の多い空
足もとの花ラベンダーを見ながらリフトで登ります

山頂の展望台からは、富良野盆地や十勝岳連峰まで見渡せる大パノラマが広がり、ラベンダー越しに富良野の風景を一望できるのが魅力です。

斜面を登るリフトからの眺めと、山頂からの見晴らしは、また違う感動があります。

眼下には、ラベンダー越しに中富良野の町並みと田園風景が広がります。

手前一面の紫のラベンダー越しに見下ろす町並みと緑の田畑。奥には雲をかぶった山なみと青空
山頂からラベンダー越しに富良野の町並みと山々が

山頂には白いブランコも置かれています。

山頂の芝生に置かれた白いブランコ。その先に町並みと田園が広がり、右手は緑の木々、空に白い雲
白いブランコから富良野の町を一望できます

ファーム富田がにぎやかで華やかな花園なら、こちらは眺望とのんびり感が持ち味です。

ファーム富田とセットで、歩いて回れる距離にあるのもうれしいところです。

園内には、町のキャラクター看板が並ぶかわいいフォトスポットもあります。

「PHOTO SPOT」と書かれた緑のベンチと、麦わら帽子の妖精が描かれた「なかふらの」の看板。背後は紫のラベンダー畑と町並み
かわいいフォトスポット

リフトでゆっくり登りながら足もとに眺めるラベンダー、上から見下ろす花畑と町並み、どちらも最高の眺めです。

人が少なく、静かに楽しめるのもうれしいところです。

斜面を埋める紫のラベンダーと、境に立つ濃い緑の針葉樹。右奥に富良野盆地の田畑と町、青空に白い雲
一面紫色の斜面からの絶景です

下りのリフトでは、中富良野の町並みに向かってゆっくり降りていく景色が楽しめます。

リフトの上から見下ろした紫のラベンダー畑と中富良野の町並み。右手にリフトの椅子と支柱、奥に田園と山並み
町並みに向かって降りていくのも爽快な眺めです

リフト乗り場のそばには、軽食、ソフトクリーム、カットメロン、おみやげなどの売店もあります。

北星山ラベンダー園
  • 所在地  北海道空知郡中富良野町宮町1-41
  • アクセス JR中富良野駅から徒歩約10分
  • 観光リフト 大人往復700円・小中学生350円・未就学児無料
  • 夏季リフト運行 2026年は6月13日〜8月23日

※2026.8時点(中富良野町なかふらの観光協会公式サイト参照)

昼食|歩いたあとは「ふらのや」で絶品スープカレー

ラベンダー巡りのあとは、北星山から歩いて10分ほどの中富良野駅から、ふたたびノロッコ号に乗って、富良野駅に向かいます。

「JR 中富良野駅」と掲げられた白い駅舎。入口の上に半円の色ガラス、手前にタクシーのりばの看板とベンチ、青空
JR中富良野駅。北星山から歩いて10分ほど

富良野駅に着くと、駅前には花の植木が並んでいて、花のまちの玄関口らしい佇まい。

赤レンガと白い壁の富良野駅舎。「ふらの/FURANO」の駅名標と、花を植えた木の樽がいくつも並ぶ駅前
花がいっぱいの富良野駅

駅から歩いて10分ほどの、スープカレーの人気店「ふらのや」へ遅めの昼食に向かいます。

行列必至の人気店なので、あえて遅めの時間に訪問したのですが、それでもかなりの方が順番待ちしている状況でした。

「カレーの ふらのや」の黄色い看板を掲げた白い建物。入口の階段に順番を待つ数人、手前の駐車場に車
スープカレーの超人気店なので、順番待ち必至です

地元の食材にこだわったスープカレーで知られるふらのやでいただいたのは、やわらか骨付きチキンのスープカレー。

スープはコクがあってクリーミーでスパイシー。野菜は甘みが強く、チキンはホロホロで、待ったかいがある美味しさで大満足です。

オレンジ色のスープカレー。ピーマン、にんじん、なす、大ぶりの鶏肉が入り、別皿に黄色いライス
人気なのも納得の絶品スープカレーです

平日でも並ぶのは必至の人気店なので、時間には余裕を見ておくと安心です。

また夕方はスープが売り切れることもあるそうなので、そこも要注意。

行って良かった!と思えるおすすめのお店です。

ふらのや

  • 所在地  北海道富良野市弥生町1-46
  • アクセス 富良野駅から徒歩約10分
  • 営業時間 11:30〜20:00
  • スープの辛さと、ご飯の量が選べます

※2026.8時点(食べログ参照)

昼食のあと、駅に向かう途中には富良野ならではの食文化がぎっしり詰まったフラノマルシェがあります。

今回は立ち寄りませんでしたが、農産物の直売所や、雑貨店、飲食店もあるので、今度富良野を訪れる際には行ってみたいスポットです。

「FURANO MARCHE 2」の立体ロゴを掲げた濃紺の建物と、ガラス張りの入口。歩道沿いに街路樹、青空
富良野のおいしいものがいっぱいのフラノマルシェ
フラノマルシェ
  • 所在地 北海道富良野市幸町13-1(フラノマルシェ1)/幸町8-5(フラノマルシェ2) ※2館が道路を挟んで向かい合っています
  • アクセス JR富良野駅から徒歩約7分
  • 営業時間 2026年度は 6月20日〜8月31日が10:00〜19:00、それ以外の期間は10:00〜18:00(一部店舗を除く)
  • 休館日 11月9日〜13日(施設メンテナンス)と12月31日・1月1日のみ
  • 駐車場 2館あわせて131台。土日祝は混みやすく、公式が富良野駅前駐車場やサンライズパークへの分散を案内しています
  • 店舗 農産物直売所オガール、富良野物産センターアルジャン、パン、カフェ、おそうざい、おむすび、花、生活雑貨、独立店舗の富良野まちなか食堂、全天候型アトリウム「タマリーバ」など
  • 知っておきたいこと 飲食は原則フードコート形式。飲食物の持ち込みは、食事制限のある方などを除き不可

※2026.8時点(公式サイト参照)

富良野駅からは16時過ぎのノロッコ号で旭川へ戻ります。

踏み面いっぱいにラベンダー畑の写真が貼られた駅の階段。中ほどに「FURANO LAVENDER」の木の看板、上の壁にポスター
富良野駅は階段までラベンダー色です

帰りの車内は行きよりも空いていて、のんびりした空間です。

ノロッコ号の車内。赤い天井からラベンダーの飾りが下がり、木のベンチ席が並ぶ。窓の外は駅のホーム
帰りのノロッコ号は静かで穏やかな車内

帰りは、少し夕方の光に変わりはじめた車窓から、雲をまとった十勝岳連峰や北海道らしい平原を眺めることができました。

手前に一面の緑の畑、その先に赤い屋根の家並み。奥には雲がかかった山並みと青空
行きとは違う、夕方の気配を感じる景色です

一日を通してノロッコ号を「移動そのものが観光」として使えるのが、この行程の楽しいところです。

白いかまぼこ形のハウスが横一列に並ぶ田園。手前は色づいた麦畑と青い稲、青空に白い雲
ずっと見ていても飽きない北海道ならではの景色

旭川駅に着いたら、翌日に備えて、旭山動物園への往復バス+入園券を購入しておきます。

【4日目:タイムスケジュール】
9:30 ホテルを出て旭川駅へ
10:00 旭川駅 発 (ノロッコ号)
11:13 ラベンダー畑駅 着、ファーム富田へ (徒歩約7分)
11:30~ ファーム富田
12:30~ 北星山ラベンダー園 (ファーム富田から徒歩約15分)
13:50 中富良野駅 発 (北星山ラベンダー園から徒歩約10分、ノロッコ号)
14:00 富良野駅 着

★15:00 昼食:ふらのや(富良野駅から徒歩約10分)

16:14 富良野駅 発 (ノロッコ号)
17:45 旭川駅 着

5日目|旭山動物園で楽しんだ後、帰路へ

最終日は、展示が特徴的と聞いて、ずっと気になっていた旭山動物園に向かいます。

旭川駅からバスで旭山動物園へ

8時すぎにホテルをチェックアウトし、荷物は旭川駅のコインロッカーへ預けて身軽になります。

動物園へは旭川駅前から旭川電気軌道のバス旭山動物園線(41番・47番)で40分ほど。

前日のうちに往復バス券と入園券を買っておくと、当日の乗車がスムーズです。

開園前に着きましたが、すでに行列ができていました。

「旭川市旭山動物園」と掲げた木組みの入園ゲート。改札口の前に並ぶ大勢の人、うすい曇り空
開園10分前の入口。すでに入園待ちの列が

園内を歩いていると、足もとにはシロクマ親子が描かれたマンホールも。

細かいところまで動物園らしい、楽しい演出です。

マンホールのふた。上半分に雪の中を歩くホッキョクグマの親子、下半分に2頭のアザラシと「ASAHIKAWA OSUI」の文字
足元のかわいらしいマンホールに癒されます

5日目の旭川は雲が多めの空模様で、連日の猛暑はひと休み。

朝の園内の温度表示も20.9℃と、心地よい空気でした。

園内はかなり広く、坂道や階段も多いので、歩きやすい靴で行くのがおすすめです。

「只今の温度」と書かれた電光表示板。20.5℃の表示と丸い照明、うしろは雲の多い青空
連日の猛暑がひと休みで、ちょうどよい涼しさです

旭山動物園|「行動展示」で動物たちの生き生きした姿を

旭山動物園は、動物本来の生態や動きを見せる「行動展示」で全国に知られる動物園です。

単に動物を見せるのではなく、動物が生き生きと動く姿を、来園者が間近で観察できるように工夫されているのが特徴。

特に人気なのが、水中を泳ぐ姿を迫力たっぷりに見られるホッキョクグマ館や、円柱水槽を泳ぐアザラシ館、水中をまるで飛ぶように泳ぐペンギン館。

水中を泳ぐホッキョクグマ。鼻先を上に向けて四肢を伸ばし、水面の上には岩場が見える
ガラスの向こうで悠々と泳ぐホッキョクグマ

あざらし館の見どころは、垂直に立つ円柱水槽。

ゴマフアザラシが、こちらを向いてくれたり、タイミングが合えば、円柱水槽をすうっと上っていく姿を間近で見られます。

透明な円筒形の水槽の中で、真下からこちらを向くゴマフアザラシ。白い体に黒い斑点、両ひれを広げている
ちょうど円柱水槽の目の前に姿を現してくれました

ぺんぎん館には水中トンネルがあり、頭の上をペンギンが飛ぶように泳いでいきます。

翼を広げて、まっすぐ泳ぐ姿は迫力たっぷりです。

水面のすぐ下を、翼を広げて横向きに泳ぐペンギン。白い腹と黒い背、オレンジ色のくちばし。水底は緑色
頭の上をすごいスピードで飛んでいきます

エゾシカの身体の白い斑点は、木漏れ日に似せて身を隠すためと言われていて、夏限定だそうです。

白い斑点のある夏毛のシカが4頭。手前に枝角のあるオス、奥は金網の柵と木立の緑
夏限定の白い斑点のエゾシカ

北海道らしいタンチョウは、柵越しにすぐ近くで観察できました。

頭に赤い部分のあるタンチョウが1羽、緑の草の中で首を下げてついばむ。うしろは金網の柵と小屋
北海道らしいタンチョウも、柵越しにすぐ近くで

ほかにも、草陰からじっとこちらを見るアムールトラ、森を模した空間で過ごすエゾヒグマ、間近で表情まで見られるオランウータン、癒やし系のカピバラやクモザルなど、見どころがたくさんあります。

「もぐもぐタイム」(餌やりの時間)が設けられている動物もいて、時間が合えばより活発な様子を見られます。

園内のカフェ「Museum Cafe ASAHIYAMA」には、オオカミをかたどった今川焼「オオカミくん焼き」などのちょっとしたおやつもあります。

動物園の園内。ゆるやかな坂の通路を歩く人、右手に木造の売店とカフェ、左手にネットで覆われた大きな展示
とても広い園内には売店やベンチもあります

開園直後は比較的すいていて、動物たちの活動も活発な時間帯。

朝いちばんに入って人気の展示から先に回り、そのあと園内をゆっくり巡るのがおすすめの回り方です。

旭川市 旭山動物園
  • 所在地  北海道旭川市東旭川町倉沼
  • アクセス 旭川駅前6番から旭山動物園線(41番・47番)で約40分・大人500円。同じのりばから急行の42番も出ていて、旭川駅から約35分(運行する日が便によって異なるので、公式の時刻表で確認)
  • 入園料  大人1,000円・中学生以下無料
  • 開園時間 夏期(5/1〜10/15)は9:30〜17:15(最終入園16:00)。10/16〜11/3は16:30まで、11/4〜11/10は休園、11/11から冬期開園

※2026.8時点(公式サイト参照)

いちばん印象に残ったのはホッキョクグマ。

実物は想像以上に大きく、それでいてどこか愛嬌があってかわいらしく、しばらく見入ってしまいました。

水中からまっすぐこちらを向くホッキョクグマの顔。黒い鼻と目、水面には体が映っている
とても大きいけどかわいらしいホッキョクグマ

旭川から札幌・新千歳経由で、大阪へ

お昼過ぎに動物園をあとにし、旭川駅へ戻ります。駅のコインロッカーから荷物を取って、いよいよ帰路へ。

旭川からはJRの特急ライラックで札幌へ。この日乗ったのは、ひまわり柄の鮮やかな緑の車両でした。特急と快速エアポートを乗り継いでの移動はスムーズです。

特急券・乗車券は発券が必要で、事前に用意しておく方が乗車時に余裕ができます。

ホームに停まる鮮やかな緑色の特急車両。先頭部の側面にひまわりの絵と「SORACHI」の文字、うしろは銀色の車体
ひまわり柄の特急ライラックで札幌へ向かいます

車窓から、この旅最後の北海道らしい景色を眺めながら札幌へ向かいます。

一面の青い稲田と、その先に横一列に続く防風林。畑の間に細い砂利道、青空を電線が横切る
旅の最後に、北海道らしい眺めが続きました

夕食|新千歳空港「花ぶさ」でお寿司

新千歳空港では、夕食に空港内の「花ぶさ」でお寿司をいただきました。

北海道の締めに、地元の海の幸を味わう時間です。

木の格子壁に「北国の寿司 花ぶさ」の木製看板。手前に紫の布をかけた台と料理見本、奥に「寿司」ののぼり
新千歳空港の「花ぶさ」で、北海道の締めの海の幸

店内はとてもきれいで、落ち着いた雰囲気。

ぼたんえび・うに・いくらなど、北の海の幸がずらりと並ぶにぎりの盛り合わせを味わい、旅の締めくくりにぴったりの時間です。

黒い石の皿に並ぶにぎり寿司。まぐろ、貝、サーモン、かに、頭つきの甘えび、いくらとうにの軍艦、ガリ。手前に味噌汁の椀
北海道の旅の締めくくりににぎりの盛り合わせ
北国の寿司 花ぶさ
  • 所在地  新千歳空港 国内線ターミナルビル3階(保安検査を通る前のエリア)
  • 営業時間 10:30〜20:00

※2026.8時点(新千歳空港公式サイト参照)

新千歳空港は飲食店やお土産店がとても充実しているので、フライトまでの時間に食事とおみやげをまとめてすませられるのが便利です。

新千歳空港を飛び立つと、窓いっぱいに幻想的な夕焼けが広がっています。

飛行機の窓の外に広がる夕焼け。紫とオレンジに染まった空と黒い雲、下側は暗い地上
窓いっぱいに広がる幻想的な空

【5日目:タイムスケジュール】
8:00 チェックアウト、荷物は旭川駅のコインロッカーへ
8:40 旭川駅前→旭山動物園 (旭川電気軌道バス41番・47番・約40分)
9:30~ 旭山動物園
12:10 旭山動物園→旭川駅前 (旭川電気軌道バス41番・47番・約40分)
14:00 旭川→札幌 (特急ライラック、約1時間30分)
15:30 札幌→新千歳空港 (快速エアポート、約40分)

★16:30 夕食:花ぶさ(新千歳空港)

17:55 新千歳→関西空港 (飛行機・直行便、約2時間10分)

後編のまとめ|ノロッコ号で巡るラベンダーと、旭山動物園

後編の2日間は、富良野・美瑛ノロッコ号でラベンダー畑駅へ行き、ファーム富田北星山ラベンダー園を歩いて巡り、最終日は旭山動物園を訪ねました。

この年の7月上旬は、ファーム富田も北星山も一面の紫。混雑が本格化する前に、満開の畑をゆっくり歩けました。

丘の上から見た花畑。オレンジ・白・ピンク・紫の帯が斜面に並び、奥に富良野盆地の田畑と山なみ、青空に入道雲
ラベンダーや花畑を存分に楽しみました

富良野・美瑛は、ラベンダーの季節限定の臨時駅(ラベンダー畑駅)とノロッコ号を使えば、車がなくても富良野のラベンダー畑はたっぷり楽しめる、というのが率直な実感です。

旭山動物園も、旭川駅からのバスで気軽に行けて、行動展示を存分に楽しめました。

後編のポイント

  • ラベンダー畑駅は季節限定の臨時駅。ファーム富田まで歩いてすぐ
  • ファーム富田は入園無料。最盛期は例年7月中旬頃(年によっては上旬でも満開に)
  • 北星山ラベンダー園は入園無料・リフト有料。山頂から富良野盆地と十勝岳連峰を一望
  • 旭山動物園へは旭川駅からバス約40分。往復バス券+入園券は前日購入がスムーズ。朝いちばんに人気展示から回るのがよい

こんな方にぴったり

  • 車の運転をせずに、富良野のラベンダー畑を巡りたい方
  • ノロッコ号やラベンダー畑駅を使った、公共交通での回り方を知りたい方
  • ファーム富田だけでなく、リフトで登る北星山ラベンダー園もあわせて楽しみたい方
  • 旭山動物園に、旭川駅から車なしで行きたい方
  • 自分のペースで、無理なく北海道を巡りたい方

移動の一覧は、記事末尾の「後編の交通・料金の目安」にまとめています。

👉前編(1〜3日目:定山渓温泉・旭川・あさひかわ号で巡る美瑛・富良野)はこちら

交通の概要(後編)

最後に、後編の交通の概要を一覧にしておきます。旅の計画の参考にどうぞ。

【後編での主な移動】
旭川→ラベンダー畑駅:富良野・美瑛ノロッコ号(乗車券のほか指定席券1,000円・事前予約制。※2026年9月23日をもって運行終了)
ラベンダー畑駅→ファーム富田:徒歩約7分
ファーム富田→北星山ラベンダー園:徒歩(中富良野駅から北星山は徒歩約10分)
中富良野→富良野→旭川:富良野・美瑛ノロッコ号
旭川駅前→旭山動物園:旭川電気軌道 旭山動物園線(41番・47番)で約40分。往復券+入園券(大人1,000円)は前日購入が便利
旭川→札幌→新千歳空港:JR特急ライラック+快速エアポート
新千歳空港→関西空港:飛行機(直行便)

後編の行程まとめ

  • 4日目 宿泊地:旭川(ルートインGrand旭川駅前)/主な交通:富良野・美瑛ノロッコ号(往復)/主な観光地:ファーム富田・北星山ラベンダー園・富良野(昼食)
  • 5日目 宿泊地:―(帰阪)/主な交通:旭川電気軌道バス・特急ライラック・快速エアポート・飛行機/主な観光地:旭山動物園/新千歳空港経由で大阪へ

4泊5日の北海道ひとり旅を振り返って

最後に、前後編を通した4泊5日の旅全体を振り返ります。

丘一面に咲く紫のラベンダーと、青空に浮かぶ白い雲。奥に濃い緑の並木
この旅の忘れられない景色

まずは「車がなくても、美瑛・富良野のラベンダーや広大な丘の風景を楽しんで巡れる」と実感できました。

カギになったのは、点在するスポットを観光周遊バス(あさひかわ号)や観光列車(ノロッコ号)を利用して巡ったこと。路線バスの乗り継ぎだけで行くより、効率的に観光することができました。

満開のラベンダーを心ゆくまで満喫できたし、ノロッコ号では観光列車ならではののんびりした空気の中で、景色を眺めながら富良野ならではの移動も体験できました。

宿は初日だけ定山渓温泉でゆっくり温泉を楽しみ、2日目以降は旭川駅前に3連泊。連泊にすると毎日の荷造りがなく、とても身軽になります。

旭山動物園も、ずっと行きたかった場所。実際に歩いてみると、人気があるのも納得の展示ばかりで、時間を忘れるくらい楽しめました。

ラベンダーの最盛期は例年7月中頃。確実に満開を狙うならその頃が本命ですが、この年のように、7月上旬でも一面の満開に出会える年があります。上旬は混雑が本格化する前なのもよいところです。

また、この年の7月上旬は記録的な暑さで、30度を超える日が続きました。青い池や丘の景色は日差しに恵まれた一方、屋外を歩く時間が長いので、帽子・日焼け止め・水分の暑さ対策は「北海道だから」と油断せずに用意しておくのが正解でした。

予約が要るもの(宿の送迎バス、特急の指定席、あさひかわ号、ノロッコ号の指定席など)を出発前に押さえておけば、無理なく回れる、自分のペースの4泊5日でした。

参考リンク集(完全版)

👇前編はこちら

一面に咲きそろった紫のラベンダー畑と、奥に並ぶ緑の防風林、青空。上部に「北海道 定山渓〜富良野 4泊5日の旅(前編)」の文字
【車なし旅】夏の北海道4泊5日モデルコース(前編:定山渓温泉と富良野のラベンダー) 人気の美瑛・富良野や定山渓温泉・旭川を、車なし・公共交通だけで巡れる? 大阪から飛行機で行く場合、どんなルートで何泊すれば無理...
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